話は数十年前のマレー国内に遡る。壁の中に逃れなかったフリッツ王家の血脈は、収容区の片隅で密かに息を潜めていた。ダイナはその正統な末裔として生まれ、幼少期から「エルディア再興の象徴」としての重責を背負わされることとなる。
彼女の存在は希望だったのか、それとも悲劇の種だったのか。地下組織「エルディア復権派」に姿を現した彼女は、グリシャ・イェーガーと出会う。思想と血統が交錯する中で二人は惹かれ合い、結婚。やがて息子ジークが誕生する。しかし、この一見密やかな幸福こそが、世界を揺るがす大惨事の序章に過ぎなかった。