お店を訪れた者が真っ先に息をのむのは、店内に飾られた貴重なアーカイブ展示の数々だ。壁面にはオープン当時のモノクロ写真や、日本1号店であることを示す誇らしげな記念プレート、さらには創業期の店舗ジオラマまでもが大切に保管されている。まさに昭和レトロカルチャーの息吹を今に伝える小さな美術館といった趣だ。
店内を見渡すと、カウンターのデザインや照明のトーンに至るまで、どこかクラシカルな温もりを感じさせる設計になっている。最新の設備を整えつつも、創業当時のスピリットを未来へ継承しようとする意思が端々に宿る。普段何気なく利用している近所の店舗とは明らかに異なる重厚なストーリー体験。ドーナツを口に運ぶ前のひととき、展示された写真に見入る客の姿が絶えないのも納得だ。