日本のカレーシーンは長年、欧風カレーやスパイスカレーが牽引してきた。しかし、2026年現在の主役は間違いなくスリランカだ。人気の背景には、油分が少なく消化に良いというヘルシーな特性に加え、日本人の出汁文化との驚異的な親和性がある。
スリランカ料理のベースを支える「モルディブ・フィッシュ」は、日本の鰹節とほぼ同じ製法で作られる干し魚だ。旨味の強い出汁文化に親しんできた日本の食通たちが、一口食べた瞬間にどこか懐かしさと深い納得感を覚えるのは偶然ではない。スパイスの鋭い刺激の奥に広がる濃密な旨味――これこそが、世界中の美食家を惹きつけてやまない最大の理由だ。