農林水産省が公表した食糧政策・農政統計データを詳細に分析すると、需要減少のもうひとつのトリガーとして価格変動の波が見えてくる。生産資材や燃料費の高騰が米の生産コストを押し上げる一方で、消費者の実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識は強い。価格が上がれば買い控えが起き、逆に価格が下がれば生産者の事業継続が困難になるという悪循環が加速している。
このまま需要低下が続けば、国内の稲作農家の離農は歯止めがかからなくなる。休耕田が増大し、水田が持つ洪水防止や水源涵養といった多面的機能も失われかねない。主食の供給能力が衰えることは、国の食料安全保障の根幹を揺るがす未来の危機に直結している。食卓のちょっとした変化が、巡り巡って国土の荒廃を引き起こす衝撃の真実がここにある。