実写版で戸愚呂弟を演じた滝藤賢一のキャスティングが発表された当初、世間には懐疑的な声も少なくなかった。しかし、蓋を開けてみればそこにあったのは、冷酷でありながらもどこか哀愁を帯びた、本物の「戸愚呂弟」だった。俳優の表情や細かな筋肉の動きをキャプチャし、巨大な肉体へとシームレスに合成する技術は、まさに職人技だ。
単に体を大きく見せるだけなら、これまでの映画でも行われてきた。だが、本作が異次元だったのは、皮膚の質感や血管の鼓動、そして何よりも「そこに存在している」という生々しい説得力だ。観客はスクリーンを通して、彼の呼吸すら感じることができた。