長らく放置されていたこの呼称問題に、決定的な変化が訪れたのは2019年11月のことだ。フランシスコ教皇の来日を直前に控え、外務省はそれまで公文書で使用していた「ローマ法王」という表記を「ローマ教皇」へと変更すると発表した。
この決断の背景には、バチカン側(カトリック教会側)からの強い要望があった。日本のカトリック教会は以前から「教皇」の呼称を正式としており、国家の公式行事として教皇を迎えるにあたり、表記を統一するのが礼儀であると判断されたためだ。これにより、政府関係の文書や報道発表からは「法王」の文字が姿を消すこととなった。