藤圭子さんの逝去直後、元夫の宇多田照實氏は長文のコメントを発表し、彼女が長年抱えていた病魔との壮絶な闘病生活を赤裸々に明かしました。その内容は、世間に大きな衝撃を与えました。
照實氏のコメントによると、藤圭子さんの精神の変調が顕著になり始めたのは1980年代前半からでした。感情のコントロールを完全に失い、突如として激怒したり、家族を敵とみなして罵声を浴びせたりする行動が日常化。照實氏や幼少期の宇多田ヒカルさんに対して、感情の嵐が容赦なく吹き荒れる日々が続いたといいます。
家族として最も過酷だったのは、藤圭子さん本人が「自分は病気ではない」と信じ込み、医師の診察や精神科への入院治療を頑なに拒絶し続けたことでした。照實氏は何度も専門医への受診を試みましたが、彼女は激しく抵抗。「家族が自分を陥れようとしている」という被害妄想を強める結果となり、適切な医療的介入が極めて困難な状況に追い込まれていきました。照實氏と藤圭子さんは通算で7回もの結婚と離婚を繰り返しましたが、それは病気に翻弄されながらも彼女を見捨てまいとした家族の苦闘の証でもありました。
娘の宇多田ヒカルさんもまた、母の病状について「母は長年、心の病に苦しめられていました。その性質上、進行とともに家族であっても対応が難しくなり、本人の苦痛も増すばかりでした」と痛切なコメントを残しています。幼い頃から母の不可解な言動に傷つきながらも、その苦しみを最も近くで理解していたからこその言葉でした。