最近になって解析が進んだ当時の文学関係者の日記には、三島が太宰の死後もなお、彼の作品を執拗に読み返していた形跡が記されている。「嫌悪」とは、裏返せば強烈な「関心」だ。無視できない存在だからこそ、三島は生涯にわたって太宰を批判し続けた。
「太宰の弱さは本物だが、彼の文学は本物ではない」と評しながらも、その言葉の刃は常に自分自身にも向けられていた。同族嫌悪。その一言で片付けるには、あまりにも重い感情の澱がそこにはあった。二人は、鏡の表と裏だったのだ。
最近になって解析が進んだ当時の文学関係者の日記には、三島が太宰の死後もなお、彼の作品を執拗に読み返していた形跡が記されている。「嫌悪」とは、裏返せば強烈な「関心」だ。無視できない存在だからこそ、三島は生涯にわたって太宰を批判し続けた。
「太宰の弱さは本物だが、彼の文学は本物ではない」と評しながらも、その言葉の刃は常に自分自身にも向けられていた。同族嫌悪。その一言で片付けるには、あまりにも重い感情の澱がそこにはあった。二人は、鏡の表と裏だったのだ。