昭和から平成にかけて、日本のビジネスシーンを円滑に進めるための最強のツールだったのが、この「立てる」技術だ。プロジェクトの成功をあえて上司の手柄にし、自らは一歩引く。この自己犠牲的な振る舞いは、長期的な出世や社内政治における「貸し」を作る高等テクニックとして機能していた。
しかし、2026年の今、その前提崩壊の足音が聞こえる。終身雇用が完全に過去の遺物となり、ジョブ型雇用が一般化した現代において、自分の成果を他人に譲る余裕など誰にもない。成果の横取りと紙一重のこの慣習は、若手にとって「搾取」としか映らないケースが増えている。