本作の圧倒的な説得力を支えたのは、日本病院薬剤師会をはじめとするプロフェッショナルたちによる徹底した現場監修だ。撮影現場には常に現役の薬剤師が立ち会い、調剤機器の操作手順から散薬(粉薬)を包むスピード、注射薬を混注する際のバイアルの持ち方に至るまで、一切の妥協を許さない指導が行われた。
特に話題を呼んだのが、医師に対して処方内容の確認や変更を求める「疑義照会(ぎぎしょうかい)」の描写である。医師のプライドと薬剤師の義務が激しく衝突するこの行為は、実際の医療現場でも極めて繊細なコミュニケーションが求められる場面だ。ドラマでは、単なる対立構造として描くのではなく、患者の安全を最優先にする両者のプロ意識のぶつかり合いとして丁寧に描写された。
また、街の調剤薬局と総合病院内の薬剤部との連携や役割の違いについても深く切り込んだ。退院後の在宅医療を見据えた服薬指導の難しさや、ポリファーマシー(多剤併用)に悩む高齢患者の現実など、普段は外から見えない調剤室の舞台裏を容赦のないリアリティで暴き出したのである。