伊根湾を取り囲むように建ち並ぶ約230軒の舟屋。この重要伝統的建造物群保存地区の静寂を守るため、遊覧船の動力源が急速にシフトしている。従来のディーゼルエンジンから、ハイブリッドおよび完全電動(EV)推進システムへの移行が進められているのだ。
エンジン音が劇的に静かになったことで、波の音や鳥のさえずりがダイレクトに聞こえるようになった。乗客からは「まるで海の上を滑るように進む」と好評だが、これは単なる観光体験の向上ではない。水中に響く騒音を減らし、湾内の豊かな海洋生態系への影響を最小限に抑えるという、地域社会と自然への配慮が根底にある。