ONE OK ROCKの音楽に宿る切実なエモーションを語る上で、ボーカル・Takaが歩んできた過酷な生い立ちとバンド結成秘話は外せません。
大物歌手・森進一と森昌子の長男として生まれたTaka(本名:森内貴寛)は、幼少期から常に世間の好奇と「2世」という重圧に晒されてきました。大手芸能事務所のアイドルグループで若くしてメジャーデビューを果たすものの、周囲の過度な期待や芸能界のシステムに対する激しい違和感からわずか数か月でグループを離脱。高校を中退し、音楽学校に通いながらライブハウスで歌い、アルバイトに明け暮れる日々を送っていました。
そんなTakaの歌声に衝撃を受け、自らのバンドへ引き入れたのが、当時高校生だったリーダーのToruです。当時、ToruはRyotaや初期ドラマーのYu(小柳友)らとバンドを結成しており、「圧倒的なボーカリスト」を必死で探していました。ToruはTakaのバイト先やライブハウスへ何度も足を運び、熱烈な口説き落としを敢行。深夜のリハーサルスタジオ代が安くなる「午前1時(One o'clock)」に練習を重ねていたことから、バンド名「ONE OK ROCK」が誕生しました。
結成後も順風満帆ではありませんでした。2007年のメジャーデビュー後、ドラマー交代(Tomoyaの加入)や2009年のギタリスト脱退(Alexの脱退に伴う4人体制への移行)というバンド存続の危機に直面。活動休止という深い挫折の中でリリースされたのが、名曲『完全感覚Dreamer』でした。世間の逆風を力でねじ伏せるかのような鬼気迫るパフォーマンスは、バンドのアイデンティティである「反骨心」を決定づけました。