本作のサウンドトラック(オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック)には、クリスティーナ・アギレラが歌うポップバージョンの「Reflection」をはじめ、「Honor to Us All(家に名誉を)」「A Girl Worth Fighting For(愛しき女よ)」といった珠玉の名曲群が収録されています。その中でも「I'll Make a Man Out of You」は、アルバムの中核をなすアクション・ミュージカルナンバーとして位置づけられています。
しかし、2026年に公開されたディズニーの実写映画版『ムーラン』を巡っては、インターネット上で大きな誤解と議論が巻き起こりました。
実写版には、香港アクション映画界の世界的レジェンドであるドニー・イェン(Donnie Yen)が、新キャラクターであるタン司令官役として出演しました。そのため、映画公開前には「ドニー・イェンが『闘志を燃やせ』を歌うのではないか」「ドニー・イェンの歌唱シーンはあるのか」という期待が一部の映画ファンの間で高まりました。
しかし、ニキ・カーロ監督率いる制作陣は、実写版をリアルな歴史アクション叙事詩として描く方針を採り、登場人物が突然歌い出すミュージカル演出を全面的に撤廃しました。結果として、ドニー・イェン演じる司令官による歌唱シーンは存在せず、本楽曲はインストゥルメンタル(劇伴音楽)のモチーフとして訓練シークエンスの背景で控えめに引用される形にとどまりました。この大胆な改変は、アニメ版のミュージカル要素を愛するファンと、本格武侠アクションを求めた映画ファンの間で活発な議論を呼ぶこととなったのです。