滋賀の夏を象徴する琵琶湖大花火大会は、一晩で30万人以上の観客を集める関西有数の大イベントだ。しかしその一方で、最寄り駅となるJR大津駅や膳所駅周辺では、終演後に群衆が殺到し、改札通過までに2時間以上を要する危機的状況が毎年のように課題視されてきた。2026年以降、安全対策として設置された琵琶湖畔の目隠しフェンスが賛否両論を巻き起こしたことも記憶に新しい。
こうした一極集中の限界を打ち破るべく打ち出されたのが、南東部に位置する大津市・草津市・守山市の3市による同時開催案だ。湖畔の3か所で同時に花火を打ち上げることで、来場者の動線を物理的に3分割する。来場者が特定の駅に一斉に押し寄せるリスクを極限まで減らす試みは、地方自治体のイベント運営における新たな実験だ。