フランス実写版がこれほどまでに支持された最大の理由は、漫画の実写化において最も重要視される「原作精神の完全な理解とリスペクト」にあります。企画を立ち上げたフィリップ・ラショー監督は、単にキャラクターの外見を真似るだけでなく、作品が持つ独特の空気感を徹底的に分析しました。
ラショー監督は自ら執筆したプロットと熱烈な企画書を携えて来日し、原作者である北条司氏に直接プレゼンを行いました。その際、北条氏は脚本を読んだ段階で映画化を快諾したと明かしています。北条氏が特に絶賛したポイントは、「おバカな下ネタギャグ」と「シリアスでスタイリッシュなアクション」の黄金比率が見事に再現されていた点でした。
単なるコメディに逃げることなく、獠が香を命がけで守る瞬間の男の色気やハードボイルドな銃撃戦の緊張感が、原作のコマ割りそのままの構図で映像化されています。「原作ファンが本当に観たかった実写版」を海外の映画人が真正面から創り上げたことこそ、北条氏をはじめとする古参ファンが手放しで賞賛した決定的な理由です。