スマートフォンの画面をスクロールすれば、毎日どこかで「子供の泣き声に耐えられない」という愚痴が見つかる。かつてなら近所の頑固親父が一喝して終わっていたような話が、今はネット上で無数の「いいね」を集めるコンテンツになっている。この現象の背景には、個人のプライベートな時間と空間を極端に重視するタイパ(タイムパフォーマンス)重視の価値観がある。
他人の子供に自分の貴重なリラックスタイムを邪魔されたくない。そう考えるのは、本当に冷酷なのだろうか。ネット上の議論を見ていると、むしろ「静かに過ごす権利」を侵害されているという被害者意識に近い感情が読み取れる。誰もが常に疲弊している現代社会において、他人の子供の面倒や騒音まで許容する精神的余裕は、もう残されていないのかもしれない。