早朝の水田地帯を旋回するのは、最新鋭の自律飛行ドローン群だ。大田原市内の広大な圃場では、センサーが収集した土壌データや気象予測を分析し、最適な水量と肥料の自動散布が日常の風景となった。かつて重労働の代名詞だった米作りや野菜栽培は、データ基盤に基づくスマートな作業へと移行している。
熟練農家の「経験と勘」を否定するのではない。蓄積された匠の知恵をアルゴリズムへと落とし込み、次世代の若者へスムーズに継承するためのツールとしてテクノロジーを活用する。このアプローチが実を結び、市内では20代・30代の新規就農者がここ数年で急増した。力作業の負担が激減したことで、女性や他業種からの参入障壁も大幅に下がっている。