DNAと遺伝子に加えて、さらに混乱を招きやすいのが「染色体」と「ゲノム」です。この4つの用語は、生命の階層構造を意識するとすっきりと整理できます。
まずは全体像を分かりやすい階層図で確認してみましょう。
【生命情報の全体像と階層構造】
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■ ゲノム(Genome)【図書館の蔵書全集】
└ その生物が生きていくために必要な「全遺伝情報」の完全な1セット
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■ 染色体(Chromosome)【本棚に並ぶ1冊ごとの巻】
└ ヒトなら細胞1つあたり46本(23対)存在する、DNAの折り畳み構造体
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■ DNA(Deoxyribonucleic Acid)【本の紙とインク】
└ 糖・リン酸・塩基で構成される二重らせんの「化学物質」
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■ 遺伝子(Gene)【本の中に書かれた個別のレシピ記事】
└ DNAの全塩基配列の中で、タンパク質を作る指示を持つ「特定領域の情報」
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細胞の核の中にあるDNAをすべて引き伸ばすと、細胞1個あたり約2メートルもの長さになります。これを直径わずか数マイクロメートルの核に収めるため、ヒストンというタンパク質の糸巻きに巻き付け、コンパクトに凝縮したパッケージが「染色体」です。
そして、ある生物種を形作るために必要な染色体一式、すなわち「遺伝情報のフルセット」を指す概念が「ゲノム」です。ヒトゲノムであれば、父親と母親からそれぞれ受け継ぐ23本ずつの染色体に含まれる、およそ30億塩基対の全情報を意味します。