ビジネスの現場において、両国が果たす役割は完全に分かれている。インドは「世界の頭脳」だ。ITサービス、ソフトウェア開発、そして高度な理系人材の輩出において他を圧倒している。バンガロールやハイデラバードはシリコンバレーに匹敵するテックハブであり、デジタル公共インフラ「インディア・スタック」の成功は世界の手本となった。
これに対し、インドネシアは「世界の工場であり資源の宝庫」としての存在感を強めている。特にEV(電気自動車)シフトに欠かせないニッケルの埋蔵量は世界一を誇り、政府は原鉱石の輸出を禁止して国内での製錬・バッテリー生産を義務付ける「下流化政策」を断行した。これにより、テスラや現代自動車などグローバル企業からの投資が殺到している。デジタルで世界を席巻するインドと、リアルな資源と製造業で急成長するインドネシア。この違いは極めて大きい。