2026年現在、日本の児童虐待やネグレクトを巡る環境は劇的に変化したかと言えば、答えは否だ。児童相談所への虐待相談件数は毎年過去最多を更新し続けている。さらに深刻なのは、事件の根底にあった「無戸籍児」の問題が今なお解決していない点だ。
親の離婚手続きの遅れや、DVからの避難など、様々な理由で出生届が出されない子供たちが日本には存在する。彼らは健康保険証を持てず、義務教育の機会すら奪われやすい。1988年の長男が置かれていた「社会的に存在しない存在」という地獄は、形を変えて現代の子供たちにも牙を剥いている。