結論から言えば、歴史上の人物であるチンギス・ハン(1162年〜1227年)本人は、私たちが知る「ジンギスカン」を一切食べていません。それどころか、現在のモンゴル国に行っても、日本のような甘辛い醤油ダレで羊肉と野菜を焼く「ジンギスカン」という料理は基本的に存在しません。
モンゴル現地の伝統的な羊肉料理は、肉を塊のまま塩水で煮込む「チャンスン・マハ」や、焼いた石と一緒に羊肉と野菜を密閉容器で蒸し焼きにする「ホルホグ」が主流です。味付けも極めてシンプルで、塩のみが基本となっています。
つまり、薄切りにした羊肉(マトンやラム)をタレに漬け込んだり、後付けの特製タレで野菜と一緒に鉄板で焼く調理法は、完全に日本で独自開発された食文化なのです。