順調なスタートを切ったかに見えた中村さんでしたが、20代に入ると長く険しい「暗黒期」とも言える下積み時代へ突入します。同世代の俳優仲間が主役級として次々とブレイクしていく中、自身はオーディションに落ち続ける日々が続きました。
当時の様子について、中村さん自身も後にバラエティ番組やインタビューで赤裸々に振り返っています。プライドばかりが高くなり、「周囲の大人全員を敵のように感じて尖っていた」「部屋に引きこもってゲームばかりしていた時期があった」と語るほど、精神的にも追い詰められていました。
実家に身を寄せながら、単発の脇役や数少ない仕事をこなす毎日。しかし、この苦境が彼の役者魂に火をつけます。映像の仕事が激減する中、中村さんは主戦場を「舞台」へと移し、蜷川幸雄さんをはじめとする名だたる演出家の厳しい稽古場で揉まれながら、骨太な演技力と徹底した役作りをゼロから叩き込み直していきました。