虫の息で横たわっていた益代の前に現れたのが、鬼の絶対的支配者である鬼舞辻無惨であった。死の淵で漂う益代の異常な執着と美意識を認め、血を与えて鬼へと変貌させた無惨。鬼となった後、彼は益代の名を捨て「玉壺」と名乗るようになる。彼の作り出す壺は単なるグロテスクな装飾品にとどまらず、高く売買されるほど工芸品としての実用性と美しさを備えていたため、無惨からも資金源として一定の重宝をされていたという特異な立ち位置を築いた。
鬼となってからの玉壺は、人間時代のトラウマと倒錯した性的・美的欲望を暴走させていく。捕らえた人間の体をねじ曲げ、刀を突き刺して「芸術作品」と称する血生臭い所業。それらはすべて、彼が人間だった頃に得られなかった承認と、死体への病的な執着が化け物として開花した姿に他ならない。