アニメ史に燦然と輝く金字塔として語り継がれるのが、京都アニメーションが手がけた最高峰の青春・スポーツドラマである。『劇場版ツルネ -はじまりの一射-』において、主人公の鳴宮湊が見せる苦悩と再起のドラマは、観客の涙を誘ってやまない。
早気の苦しみに苛まれながらも、弦音(つるね)の美しさに魅せられ再び弓を手にとる過程。繊細な作画と静寂を活かした音響設計が、彼の内面を見事に炙り出していた。水面に広がる波紋のように静かに、しかし確実に周囲の仲間を惹きつけていく姿は、まさに「湊」という名の本質を象徴している。作品の世界観を決定づけたキャラクター造形の極致と言えよう。