サンタクロースという存在を紐解く上で欠かせないのが、キリスト教の聖人聖ニコラウス(Saint Nicholas)に遡る歴史的ルーツです。4世紀の小アジア(現在のトルコ領ミュラ)の司教であった聖ニコラウスは、貧困にあえぐ家庭の窓(あるいは煙突)から密かに金貨を投げ入れ、身売りされそうになっていた3人の娘を救ったという伝説が残されています。この金貨が暖炉に干してあった靴下に入ったという逸話こそが、クリスマスの靴下文化とプレゼントの原型です。
聖ニコラウスの祝名日である12月6日を祝うオランダの伝統「シンタクラース(Sinterklaas)」が17世紀にアメリカ大陸へ移民とともに渡り、英語訛りで「サンタクロース」へと変化しました。19世紀から20世紀にかけて、詩人クレメント・クラーク・ムーアの詩や画家トマス・ナストの風刺画、さらにはコカ・コーラ社の広告ビジュアルなどを通じて、赤い服に白い髭を蓄えた親しみやすい現代のビジュアルが定着していきました。
現在、サンタクロースの公式な居住地として国際的に認知されているのが、北極圏直下に位置するフィンランド・ロヴァニエミの「サンタクロース村」です。年間を通して本物のサンタクロースと面会できるこの地には、世界中から毎年50万通を超える手紙が届きます。
サンタクロース村の中央郵便局宛てに手紙を送ると、クリスマスシーズンにフィンランド公式の消印が押された特別な返信が届くシステムが整備されており、世界中の子供たちの純粋な想いを受け止める国際的な拠点として機能しています。