滝のすぐ近くに佇む石造りの重厚な建物。これこそが、明治時代末期の1909年に建設された旧沈堕発電所跡だ。当時、大分県内の電気需要に応えるべく推進された水力発電事業の先駆けであり、近代化の息吹を今に伝える貴重な遺構である。
歳月とともに石壁は苔に覆われ、屋根は崩れ落ち、打ち捨てられた回廊には青空が広がる。古代ローマの遺跡や幻想的な城郭を想起させるこの独特な空間は、優れた産業遺産として全国の廃墟ファンや写真家を惹きつけてやまない。激しい水流の音と静寂な石壁が織りなす対比は、ここにしかない没入感をもたらす。