なぜ米粉は、小麦粉よりも際立った「外カリ中トロ」を作り出せるのか。料理の科学的解明で知られる辻調理師専門学校の調理科学的アプローチを紐解くと、グルテンの有無と油の吸着率の違いがそのカギを握っていることがわかる。
小麦粉に含まれるグルテンは、水分と練ることで弾力のある網目構造を作るが、これが加熱時に油分や水分を過剰に抱え込む原因にもなる。一方、グルテンを含まない米粉生地は、表面の油分となじむと一気に高温に達し、ガラス質の薄く軽やかなクリスピー層を形成する。一方で内部の米澱粉は、出汁の旨味を吸いながら一瞬で滑らかな熱々トロトロのゼリー状に変化する。この劇的な硬度差こそが、噛んだ瞬間の感動を生み出している。