大相撲中継のカメラアングル、特にテレビ画面の奥に位置する「向正面(むこうじょうめん)」の砂かぶり席には、連日のように同じ席で背筋をピンと伸ばして観戦する女性の姿が映し出されます。ネット掲示板やSNSでは「あの着物の美女は誰?」「芸能人ではないか」と詮索合戦が繰り広げられるのが日常茶飯事です。
過去に「溜席の妖精」として爆発的な注目を集めた女性をはじめ、中継に映る和服女性の正体は主に以下のパターンに分かれます。
最も多いのは、相撲部屋や日本相撲協会を経済的に支える「溜席維持員(タニマチ)」の家族や関係者です。彼女たちは代々続く後援会の重鎮であったり、伝統文化に深い理解を持つ名家・実業家の令夫人であったりします。また、相撲界と深い親交を持つ芸能人・文化人が招待や個人手配で観戦しているケースも珍しくありません。デヴィ夫人をはじめとする著名人が華やかな和装で訪れる姿は、本場所の風物詩ともなっています。
さらに、老舗の「相撲茶屋(案内所)」を通じて代々席を確保しているお得意様や、純粋な相撲ファンでありながら「相撲観戦の晴れ舞台には最高峰の和装で臨む」という強い美意識を持った一般の愛好家も含まれています。