地震前兆説が単なる都市伝説として片付けられない最大の理由は、歴史に刻まれた生々しい一致例が存在するためです。
最も有名な事例が、2011年3月11日の東日本大震災(M9.0)のわずか7日前となる3月4日、茨城県鹿嶋市の海岸に約50頭のカズハゴンドウ(イルカの近縁種)が打ち上げられた出来事です。さらに遡れば、同年2月22日のニュージーランド・カンタベリー地震(クリストクライスト地震)の直前にも、同国南部で100頭以上のクジラが座礁していました。
ほかにも、2016年の熊本地震の直前や、過去の伊豆諸島近海での群発地震前など、類似の報告は枚挙に暇がありません。こうした強い印象を残す事象が連続したことで、「クジラやイルカの打ち上げ=巨大地震の秒読み」という図式が多くの人々の記憶に決定づけられました。