没後もなお、門倉有希の音楽は静かに拡大を続けている。特に2026年代半ばに入ってからのレトロ歌謡・昭和平成ポップス再評価の波に乗り、2026年の今、Z世代をはじめとする若年層がストリーミングサービスやTikTokを通じて彼女の楽曲にたどり着くケースが急増している。
SNS上で「ノラ」や「女の波止場」「ヒノトリ」などの音源がエモーショナルな動画の背景曲として使用され、「この声は誰?」「聴いた瞬間に鳥肌が立った」といったコメントが相次ぐ現象が起きている。デジタルネイティブの若者たちにとって、オートチューン(ボーカル補正)に慣れ親しんだ耳に流れ込んでくる彼女の生々しいハスキーボイスは、フレッシュで本物の「ソウルミュージック」として受け止められているのだ。
時代や流行を追うのではなく、人間の剥き出しの感情を歌い続けたからこそ、30年の時を経てもまったく古びることがない。