研究所の内部では、日々緊迫した実験が繰り返されている。バイオセーフティレベル(BSL)に応じた高度な安全管理体制のもと、専門の技術者たちが極めて高精度な機器を駆使して試験体を解析する。そこにあるのは、理論上の計算ではなく、現実の微生物を用いた泥臭くも精緻な実証作業だ。
気温や湿度の変化によってウイルスの生存期間や感染力は著しく変動する。ラボ内に再現された多様な環境条件のもとで、各種抗菌・抗ウイルス素材がどれだけの耐久性と効果を維持できるのか。気候変動によって熱帯性の感染症リスクが徐々に北上しているとされる現在、旧来の基準にとらわれない柔軟かつ高度な評価手法が不可欠となっている。