STAP細胞を巡る一連の混乱を理解するには、日本国内での公式発表と論文撤回に至る経緯を振り返る必要があります。2014年1月、理化学研究所(理研)を中心とする研究グループが華々しく会見を行いましたが、直後から画像の加工やデータの疑義が指摘され始めました。
その後、理化学研究所の調査委員会による不正認定を経て、同年7月にはNature誌の論文が正式に撤回されました。さらに理研が実施した大規模な再現検証実験でもSTAP現象は一度も確認されず、2015年3月には検証実験の打ち切りが発表されています。
この過程で浮上したのが「特許は誰のものか」という権利問題です。出願当初、特許の出願人には理化学研究所、ハーバード大学(女子病院 Brigham and Women's Hospital)、東京女子医科大学が名を連ねていました。しかし、論文撤回と研究不正の確定を受けて、理研と東京女子医大は特許の権利を放棄・取り下げを決定します。一方で、ハーバード大学側だけが権利を維持し、単独でアメリカ国内での審査手続きを推し進めたため、日米で対応が大きく分かれる結果となりました。