競走馬としての運命を大きく手繰り寄せたのが、2010年の宝塚記念だった。8番人気という低評価を嘲笑うかのように、阪神競馬場の急坂を力強く駆け上がったあのシーン。後方待機から直線で外に持ち出された瞬間、一気に解き放たれた末脚は、まさに鬼気迫るものがあった。
当時の古馬陣にはブエナビスタをはじめとする絶対的強者が君臨していた。その主役をゴール直前で一網打尽にしたのは、単なる波乱の決着ではない。条件が整った瞬間に発揮される破格の「一発の強さ」こそが、彼の真骨頂であることを証明した決定的なレースだった。