ネット上のまとめ記事やSNS動画では「強く揉みほぐして脂肪を移動させる」といった過激なマッサージ法が散見されますが、これは医学的に極めて危険な行為です。女性のバストの美しさと高さを支えている最大の立役者は、乳腺と大胸筋、皮膚をつなぐ結合組織である「クーパー靭帯(Cooper's ligament)」です。
クーパー靭帯は強靭なコラーゲン線維の束で構成されていますが、ゴムのように伸び縮みする弾力組織ではありません。過度な外力や強い牽引力が加わると、線維が引き伸ばされたり、微細な断裂を起こしたりします。そして決定的な事実は、「一度伸びたり切れたりしたクーパー靭帯は、二度と元の長さに戻らない」という不可逆性です。
男性が力任せに鷲掴みにしたり、激しく揉みしだいたりする行為は、クーパー靭帯に恒常的なダメージを与え続ける行為に他なりません。これこそが、将来的な胸が垂れる原因(乳房下垂)を自ら作り出す最悪の引き金となります。バストを大きくしようとして強い刺激を与え続けた結果、ハリを失い、皮膚が伸びきって垂れ下がってしまうという悲劇は、美容医療のカウンセリング現場でも頻繁に報告されている現実です。