塩沢さんの急逝に伴い、白鳥任三郎役のバトンを引き継いだのが、同じく昭和・平成のアニメ界を牽引してきたトップ声優の井上和彦(いのうえ かずひこ)さんでした。
ファンが最も気になる「アニメの何話から声が変わったのか」という点について、公式記録および放送データは以下の通りです。
テレビアニメシリーズでは、2000年8月28日に放送された第205話「本庁の刑事恋物語3(前編)」から井上和彦さんの声へと切り替わりました。劇場版では2001年公開の第5作『天国へのカウントダウン』が井上版白鳥警部のスクリーンデビューとなっています。
井上和彦が明かした「友の役を継ぐ」重圧と葛藤
井上和彦さんと塩沢兼人さんは、1954年生まれの同い年であり、若手時代から数多くの現場を共にして互いの実力を認め合う無二の盟友でした。
後任打診を受けた際、井上さんはインタビューやイベントで「兼人が大切に育ててきた役を汚すわけにはいかない」「最初は彼の声やイントネーションを必死になぞりながら演じていた」と当時の苦悩を語っています。スタジオに入っても塩沢さんの残像が頭をよぎるプレッシャーの中、制作スタッフやキャスト陣に支えられながら徐々に「井上和彦ならではの白鳥警部」を確立していきました。