正月番組をめぐる言説の中には、事実とは異なるネット上の思い込みや誤解も少なくありません。ここでは業界の現実と照らし合わせながら、3つの盲点を紐解きます。
誤解①:「正月の番組はすべて生放送で作られている」
『爆笑ヒットパレード』や『箱根駅伝』などの一部を除き、三が日に放送されるゴールデン帯の大型バラエティやドラマの約8割は、11月中旬から12月上旬にかけて事前収録されたものです。出演者のスケジュール調整や綿密な編集クオリティを確保するための措置ですが、「新春ならではのライブ感」を演出するために衣装やセットに門松や着物をあしらう工夫が施されています。
誤解②:「元日特番の視聴率は昔に比べて壊滅している」
「テレビ離れ」が叫ばれる昨今ですが、正月のキラーコンテンツに限っては驚異的な粘りを見せています。『格付けチェック』や『箱根駅伝』の世帯視聴率は依然として20%〜30%前後を記録し続けており、普段はテレビをつけない層もこの数日間だけは受像機の前に戻ってくる「祝祭的集中現象」が確認されています。テレビの力が落ちたのではなく、「強い番組と弱い番組の二極化」が極限まで進んだというのが正確な実態です。
誤解③:「地方局では見られない特番が多い」
かつては系列局の編成都合で放送されない正月特番が地方で多発していましたが、現在はTVerの「リアルタイム配信」と「見逃し配信」の網羅率がほぼ100%に達したため、日本全国どこにいてもキー局と同等の視聴環境を手に入れることが可能になりました。