浄瑠璃寺を語る上で欠かせないもう一つの宝物が、秘仏として厳重に守られている「吉祥天女」像である。鎌倉時代に制作されたこの像は、鮮やかな色彩と華麗な衣を纏い、日本の仏像彫刻の中でも格別の美しさを誇る。幸福と美を司る女神としての気品にあふれ、年に数回しか扉が開かれない特別公開の時期には、その姿を一目見ようと遠方から多くの参拝客が駆けつける。
一方、池の東側にそびえ立つ「浄瑠璃寺三重塔」は、元は京都の平安京内にあったものを移築したと伝えられる国宝の建築物だ。幾重にも重なる屋根の美しい曲線と、周囲の自然と溶け込む木肌の質感がすばらしい。西側の本堂が沈思黙考の静けさを湛えているのに対し、東の三重塔は天に向かって力強く立ち上がり、静と動、西と東の鮮やかな対比を境内に生み出している。