彼女が日本の社会に与えた最大級のインパクトといえば、やはり不妊治療(妊活)の公表と継続的な啓発活動だろう。当時はまだプライベートな悩みを公の場で明かすことが躊躇された時代だった。その中で、自らの喜びも落胆も包み隠さずオープンにした姿勢は、どれほど多くの人々の孤独を救ったか知れない。
2026年の今、フェムテックや女性のウェルビーイングという言葉はすっかり社会に定着した。だが、その地ならしをした功労者の一人が彼女であることは動かしがたい事実だ。当時の経験を単なる思い出にせず、現在も変化し続ける医療環境や次世代の悩みに耳を傾け続ける姿勢に、彼女の誠実さがにじむ。