そもそも、私たちが日常的に手にする即席麺のベースにあるのは、偉大な発明家である安藤百福が打ち立てた乾麺技術に他ならない。1950年代後半に誕生した瞬間油熱乾燥法は、食品産業のあり方を根本から塗り替える歴史的イノベーションとなった。
現在の日清食品ホールディングスをはじめとする大手メーカーは、麺の加水率や乾燥プロセスの研究を極限まで進化させている。世界中で愛されるカップヌードルに代表されるように、お湯を注ぐだけで完璧な復元を果たす構造は緻密なテクノロジーの結晶だ。しかし、メーカーが提示する手順は「誰が作っても80点の味」を保証する万能の平均値に過ぎない。麺の分子構造と乾燥技術の背景を理解した上で調理のディテールを詰めていくことこそ、残りの20点を埋めて100点満点の丼へと到達する鍵となる。