月を目指すのは国家機関だけではない。民間主導の月旅行プロジェクトも大きな注目を集めてきた。実業家の前澤友作氏が企画した「dearMoon」プロジェクトのように、民間人が月周回軌道を目指す試みは、かつて国家の威信をかけた特権だった月へのアプローチを、より身近なエンターテインメントやビジネスの領域へと引き下ろした。
ロケットの再利用技術や大量生産体制の確立により、月までの移動コストは劇的に低下しつつある。スタートアップ企業を含めた宇宙航空産業の市場規模は年々急速に拡大しており、月面での通信インフラ構築や資源採掘といったビジネス構想が現実味を帯びてきた。月はもはや「遠くから眺める天体」ではなく、「経済活動の新たな開拓地」へとその姿を変えつつある。