それでもなお、大会の軸となる本命校は存在する。今大会、最も前評判が高いのが、最速155キロを誇る絶対的エースと、140キロ台後半を投げる2番手・3番手を揃えた名門校だ。地方大会全6試合で許した失点はわずか4。防御率0点台という脅威的な数字を引っ提げて聖地へと乗り込んでくる。
このチームの恐ろしさは、単にスピードボールを投げるだけではない点にある。低反発バット時代に対応した「カットボール」や「スプリット」など、手元で芯を外す変化球の精度が極めて高い。相手打線に的を絞らせず、内野ゴロの山を築くスタイルは、甲子園という大舞台において最も大崩れしにくい戦い方と言える。
打線も派手さはないものの、相手投手の球数を投げさせる選球眼と、勝負所でのたたみ掛けに長けている。攻守に隙のない完成度は、間違いなく優勝戦線の中心に位置する。