「膝の裏を触ったら、ゴルフボールのような柔らかいしこりがある」という場合に疑われるのが、ベーカー嚢腫(のうしゅ)の真相です。これは膝関節の裏側に存在する滑液包(関節の摩擦を減らす袋)に、関節液が過剰に溜まって風船のように膨らんでしまう良性の腫瘤(しこり)です。
主な特徴として、正座をした時の強い圧迫感や、膝を曲げにくくなる違和感が挙げられます。基本的には良性の病変であり、強い痛みがなければ経過観察となるケースも多いですが、決して侮れません。過度に大きくなると周囲の血管や神経を圧迫し、下肢のしびれや血栓症に似た強い痛みを引き起こすことがあります。
膝裏にしこりが生じる原因の背景には、変形性膝関節症や半月板の微細な損傷など、関節内部の炎症が隠れているケースが目立ちます。触れて弾力があるプニプニした塊に気づいたときは、自己判断で強く押し潰そうとせず、整形外科での超音波(エコー)検査やMRIによる確定診断を受けるのが賢明です。