中国における食は、単なる日常の営みを超えた芸術であり文化の根幹だ。古くは『論語』の中で孔子が「食不厭精、膾不厭細(食は精を厭わず、膾は細きを厭わず)」と残したように、素材の選定から調理技術に至るまで徹底した美学が存在する。かつて香港の文人であり食評論家の蔡瀾が語ったように、料理を味わう喜びとは、その背景にある歴史や人の温もりに触れることでもある。
この圧倒的な食文化の奥行きを世界に知らしめたのが、中国中央テレビ(CCTV)によるドキュメンタリー金字塔作品『舌尖上の中国』だ。中国各地の豊かな食材と伝統の技を映像美で切り取った同作は、本物の中華料理が持つ多彩なグラデーションを提示した。料理の魅力を語る言葉を知ることは、こうした深い文化の文脈へとアクセスする鍵にほかならない。