デジタル技術が主流となった今のアニメーション制作業界において、手描きアニメーションの極限を追求した本作の価値は高まるばかりだ。風にたなびく草木、関東大震災の劇的な地鳴り、飛行機が空気の層を突き破る瞬間の躍動感。すべては職人たちの狂気的な執念によって画面に刻み込まれている。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」——ポール・ヴァレリーの詩句を引用した本作のメッセージは、混迷を極める現代社会において、表現者たちがどうあるべきかという重い問いを投げかけ続けている。歴史の荒波の中でも夢を追い、愛を貫こうとした二郎たちの生き様は、これからも時代を超えて人々の心を揺さぶり続けるはずだ。 (出典: 風 立ち ぬ 宮崎 駿(Yahoo!ニュース))