カズレーザーが自身のバイセクシュアリティを公表した際、そこには涙も、悲壮な決意もなかった。まるで「昨日の晩御飯に何を食べたか」を話すかのような軽やかさ。この態度こそが、日本におけるカミングアウトのハードルを劇的に下げたと言える。
それまでのメディアは、当事者が葛藤の末に真実を打ち明けるという「感動のストーリー」を消費しがちだった。だが彼は、その消費サイクルに加わることを拒否した。セクシュアリティは個人の属性の一部に過ぎず、人生のすべてを定義するものではないという姿勢。これこそが、令和の若者たちが最も共感するポイントなのだ。