小林武史とSalyuの歴史は、2000年に幕を開けました。当時、映画監督の岩井俊二と小林武史が共同で立ち上げたインターネット発のメディアミックスプロジェクト、のちの映画『リリイ・シュシュのすべて』(2001年公開)の架空のカリスマ歌姫・Lily Chou-Chou役を探していたことがすべての始まりです。
当時10代だったSalyu(本名:鈴木綾子)が送った1本のデモテープを聴いた小林武史は、その圧倒的な声の存在感と神秘的な表現力に衝撃を受け、即座にメインボーカルへの抜擢を決断しました。小林は後に「彼女の声には、聴く者の心を根底から揺さぶる根源的な力があった」と述懐しています。
映画の公開とともに「Lily Chou-Chou」名義でリリースされたアルバム『呼吸』は、退廃的でありながら神聖な美しさを湛え、音楽シーンに熱狂的な信者を生み出しました。この成功を経て、2004年にシングル『VALON-1』で「Salyu」としての正式なソロデビューを果たし、小林武史の全面プロデュースによる本格的なアーティスト活動がスタートしました。