バットの握り心地は、打者のメンタルにダイレクトに作用する。グリップエンドの形状一つとっても、フレア型、丸型、ストレート型と無数の好みが存在する。
ヤナセの真骨頂は、カタログスペックの数字には現れない「削りの妙」にある。トップバランスでありながら振り抜きが軽やかに感じられる特殊なテーパー部分の削り出しや、カウンターバランスの絶妙な調整。職人の研磨によって生み出される細部のなめらかさは、手袋越しでもはっきりと違いが伝わる。既製品でありながら、まるで自分専用に作られたかのような一体感。それが打席での余裕を生み出す。