出入国在留管理庁の在留外国人統計によると、日本国内に暮らす在日ベラルーシ人の現在の人口は、約500人前後で推移しています。人数としては少数コミュニティですが、その多くは高度専門職のITエンジニア、大学の研究者、通訳・翻訳者、そして日本人と結婚して定住した永住者たちで構成されており、高い教育水準を誇ります。
しかし、近年の彼らの生活は、決して穏やかなものばかりではありません。ベラルーシ情勢と市民の反応は、彼らの心に重い影を落としています。
2026年の大統領選以降、現行政権による言論統制や市民運動への弾圧が激化し、さらに隣国ウクライナでの武力紛争においてベラルーシ政府がロシアへの後方支援姿勢をとったことで、海外在住のベラルーシ人たちは激しい板挟み状態に置かれました。
都内のIT企業で働く30代のベラルーシ人女性は、公の場では口にしにくい苦衷を打ち明けます。
「日本の知人から『ベラルーシはロシア側についたのか』と問い詰められることがあります。でも、政権の決定と私たち市民の願いは全く別です。ベラルーシ国民の大多数は平和を愛し、戦争に反対しています。祖国に残る家族の身の安全を考えると公に声を上げることも難しく、孤立感を深めている同胞が少なくありません」
日本国内の在日ベラルーシ人コミュニティでは、文化交流イベントや人道支援募金活動などを通じて、「真の市民社会の姿」を日本の人々に理解してもらおうと静かな努力が続けられています。