特別支給の老齢厚生年金は、受給資格を満たしているにもかかわらず「知らなかった」「難しそうだから」と後回しにする理由が何ひとつない制度です。一方で、現在の雇用形態や収入状況によっては、受給にあたって戦略的な立ち回りが要求されます。専門家の視点から、今すぐ動くべき人と立ち止まって計算すべき人の条件を整理しました。
迷わず今すぐ申請手続きを行うべき人
- 退職して無職・専業主婦(夫)の状態にある人:在職老齢年金の給与カットが一切発生しないため、満額の年金を丸ごと受け取ることができます。1日でも早く請求しなければ、貴重なキャッシュフローを逃すことになります。
- パート・アルバイトで厚生年金に加入していない人:社会保険の適用除外となる労働時間・日数で働いている場合、給料がいくらであっても在職老齢年金の減額対象にはなりません。全額受給が可能です。
- フルタイム勤務でも月給と年金の合算が50万円未満の人:在職老齢年金のボーダーライン(月額50万円)に抵触しない範囲であれば、給与に加えて年金が全額上乗せ支給されます。現役世代のボーナス感覚で老後資金の貯蓄に回すのが賢明です。
働き方や受給計画の再設計が必要な人
- 役員報酬や高額な給与を得ている現役役員・管理職:合算額が50万円を大きく超える場合、特別支給の老齢厚生年金は全額支給停止となります。ただし、将来退職した時点で即座に支給が開始されるよう、事前の受給資格確認と請求書の提出だけは必ず済ませておく必要があります。
- 退職直後でハローワークの失業手当を受給予定の人:失業手当と特老厚はどちらか一方しか受給できません。日額ベースで失業手当の総受給額と、年金の月割額を比較対照し、受給期間のタイミングを意図的にずらす出口戦略が求められます。