インターネット上では、宝塚記念での「120億円紙くず事件」と呼ばれる大出遅れやパドックでの奇行ばかりが切り取られ、「気性が荒すぎてコントロールが効かない馬」「ただの狂気的な暴れ馬」と誤解されるケースも少なくありません。しかし、現場の専門家による評価は全く逆です。
ゴールドシップに騎乗した歴代ジョッキー(内田博幸騎手や横山典弘騎手ら)や関係者が口を揃えるのは、「信じられないほど賢い馬だった」という事実です。自分が走るべきレースの重要性を理解しており、本気を出せば阪神大賞典3連覇や天皇賞(春)を制する卓越したロングスパートを繰り出しました。一方で、「ここは本気を出さなくてもいい」「走る気分ではない」と自分で判断すると、どれだけ鞭を打たれても動かない頑固さを持っていました。
つまり、あの変顔や奇行は精神の錯乱によるものではなく、極めて高い自己主張と知性が引き起こした行動でした。人間社会のルールに盲従せず、自分の感情をストレートに表情や行動に出していたからこそ、競馬ファンはその人間臭さに共感し、惹きつけられたのです。